フロントガラスに傷があると車検に通らない?基準や修理方法を解説

「フロントガラスに傷がついてしまった…このままで車検に通る?」と不安を感じていませんか?
走行中の飛び石や温度変化など、フロントガラスの傷は誰にでも起こりうるトラブルです。傷の大きさや位置によっては車検に通る場合もあれば、不合格になる場合もあり、判断基準が分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、フロントガラスの傷と車検の関係について、保安基準の内容から修理・交換の判断目安、費用相場まで網羅的に解説します。傷を放置するリスクや予防策も紹介するので、車検を控えている方はぜひ参考にしてください。
目次
フロントガラスに傷があっても車検に通るケースはある
フロントガラスに傷やヒビがあるからといって、必ずしも車検に落ちるわけではありません。傷の程度や位置によっては、そのまま合格できるケースも存在します。
ただし、明確な数値基準が設けられていない項目も多く、最終的には検査員の判断に委ねられる点に注意が必要です。
なお、ヒビが入っている状態の場合、基本的に修理を済ませてからの車検となります。ヒビ割れを発見した時は、ヒビが広がらないうちに修理または対処をしておくこと、無駄な出費を抑えられるでしょう。
車検に通るフロントガラスの基準
フロントガラスの車検基準は「道路運送車両の保安基準」第29条および「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第195条に規定されています。
主な基準は、以下のとおりです。
- ドライバーの視界が十分に確保できる状態であること
- ガラスが容易に貫通されない強度を有していること
- フロントガラスおよびサイドガラスが透明であり、視界を遮る歪みがないこと
(可視光線透過率は70%以上が必要条件)
基準を満たしていれば、多少の傷やヒビがあっても車検に合格する可能性はあります。
特に助手席側の小さな傷であれば、運転に支障がないと判断され、合格となるケースも珍しくありません。
不合格になりやすい傷
以下のような傷は、車検で不合格になる可能性が高い傾向にあります。
- 運転席の正面付近にある傷
- 長さが20cm以上に達しているヒビ
- 傷の大きさが100円玉(直径約22.6mm)以上
- 傷から亀裂が伸びている状態のヒビ
運転席の正面付近にある傷は、ドライバーの視界を妨げると判断されやすく、不合格の大きな要因になります。ヒビの長さが20cm以上に達している場合も、安全性の観点から合格は難しいでしょう。
また、傷の大きさが100円玉(直径約22.6mm)以上であれば、検査員から指摘を受ける可能性が高まります。
なお、傷から亀裂が伸び始めている状態のヒビは、サイズに関わらずプロの現場でも「リペアではなく交換すべき」と判断される典型的なケースです。ヒビの進行は走行中の振動で加速するため、亀裂の進行が確認された時点で早急な対応が求められます。
ただし、具体的な数値基準は明文化されていないため、同じ傷でも検査員によって判断が異なる場合があると、認識しておく必要があるでしょう。
フロントガラスに傷ができる主な4つの原因

フロントガラスに傷ができる原因は、主に次の4つです。
- 飛び石
- ワイパー劣化・砂噛み
- 冬場の凍結
- 洗車
原因を把握しておけば、予防や早期発見に役立てられるでしょう。
1. 飛び石
フロントガラスに傷がつく原因として最も多いのが、飛び石によるダメージです。走行中に前方車両のタイヤが巻き上げた小石が、後続車のフロントガラスに衝突して傷をつけるケースがあります。
高速道路ではスピードが出ている分、石の飛ぶ勢いも強くなり、ダメージが大きくなりがちです。
特にトラックのような大型車両は路面の石をより高く跳ね上げやすいため、後方を走行する際は車間距離を十分取るようにしましょう。
2. ワイパー劣化・砂噛み
ワイパーのゴムが劣化すると、ガラス表面を拭く際にフロントガラスに細かい傷をつけてしまう可能性があります。
また、ワイパーブレードとガラスの間に砂や小石が挟まった状態で作動すると、線状の傷が広範囲にわたって発生するケースも珍しくありません。
ワイパーの交換目安は一般的に1年程度とされており、定期的な点検・交換が傷の予防につながるため、ワイパーの状態もこまめにチェックしましょう。
3. 冬場の凍結
フロントガラスに傷がつく原因のひとつに、気温が低い朝にフロントガラスが凍結し、氷を除去する際に傷をつけてしまうケースがあります。
しかし冬場に特に注意したいのが、凍結したガラスに熱湯をかける行為です。急激な温度変化によってガラスが変形・破損する恐れがあり、既存の小さな傷が一気にヒビへと拡大する危険性があります。
凍結時にはプラスチック製のスクレーパーやスノーブラシ、解氷スプレーなどを使用し、無理のない方法で氷を除去しましょう。
4. 洗車
洗車時の不適切な方法も、フロントガラスに傷をつける原因のひとつです。砂やほこりが付着したまま乾いた布で強くこすると、細かい傷が蓄積していきます。
洗車の際はまず水でしっかりと砂やほこりを洗い流し、柔らかいスポンジやクロスで優しく拭きましょう。
フロントガラスの傷を放置する3つのリスク
フロントガラスの傷を放置するリスクは、主に次の3つです。
- 振動や温度差でヒビが急激に広がる可能性
- 視界不良による事故リスク
- フロントガラスの「交換」が必要になる可能性
「小さな傷だから大丈夫」と放置してしまうと、後から予想外の事態を招く恐れがあります。フロントガラスの傷は、早めに対処しましょう。
1. 振動や温度差でヒビが急激に広がる可能性
フロントガラスに入った小さなヒビは、走行中の振動や風圧、気温差の影響を受けて徐々に拡大していく可能性があります。特に夏場や冬場はガラスの内外で温度差が大きくなりやすく、ヒビの進行速度が加速する季節です。
最初は数ミリ程度の小さな傷であっても、放置すればガラス全体に亀裂が走る可能性も否定できません。
ヒビが広がると修理では補えず、フロントガラスの交換が必要になる可能性もあります。修理費が大きくならないよう、小さな傷のうちに適切な修理を行いましょう。
2. 視界不良による事故リスク
ヒビが大きくなると、運転中の視界を遮る原因になります。視界不良が原因で事故を起こしてしまうと、ドライバー自身の安全はもちろん、同乗者や歩行者など周囲への影響も大きなものになります。
整備不良の状態で走行を続けた場合、道路交通法第62条に基づき違反とみなされ、最大で3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金が科される可能性もあります。
自動車事故は、損害額だけでなく日常生活や命にも関わるものです。事故防止のためにも、フロントガラスの傷が小さいうちに修理しておきましょう。
3. フロントガラスの「交換」が必要になる可能性
フロントガラスについた傷は、小さなうちに修理すれば、費用を抑えられます。
しかし、ヒビが広がってしまうと修理では対応できず、フロントガラス全体の交換が必要になるケースもあるため、注意が必要です。
交換費用は修理費用の数倍にもなるため、経済的な負担も大きくなります。早期発見・早期対処が、結果的にコストを最小限に抑える最善策といえるでしょう。
修理できるフロントガラスの傷の判断基準
フロントガラスの傷は、すべてが修理で対応できるわけではありません。傷の大きさや位置、種類によって、修理と交換のどちらが適切かが異なります。
ここでは、修理で済む可能性のある傷と、フロントガラスの交換が必要になる傷の目安について紹介します。
修理で済む可能性がある傷の種類・大きさ
一般的に、修理で対応できるのは500円玉(直径約26.5mm)程度までの大きさの傷です。
傷の種類としては、次の2つが修理で済ませられる可能性があります。
- が一点に当たってできる円形のくぼみ「ブルズアイ」
- 中心から線が放射状に伸びる小さめの「スターブレイク」 など
ただし、傷がガラスの端(黒い枠の部分)にかかっておらず、傷ができてから時間が経過していないことが条件です。
時間が経つと傷の内部に汚れや水分が入り込み、補修剤が浸透しにくくなってしまいます。
フロントガラスに傷ができた段階で、早めに修理しましょう。
フロントガラスの交換が必要な傷の種類・大きさ
次のような傷は修理での対応が難しく、フロントガラスの交換が必要になるケースがあります。
- 500円玉を超える大きさの傷やヒビ
- ガラスの端から5cm以内にある傷
- 長く直線的に伸びるストレートブレイク など
傷からヒビが走り出している場合も、たとえ傷自体が小さくても進行リスクが高いため、交換が必要です。
傷ができてから長期間放置していた場合も、小さな傷でも交換が必要になる可能性があります。
判断に迷った際は、自己判断せずにディーラーや業者へ確認を依頼しましょう。
フロントガラスにできた傷・ヒビの対処法と費用目安

フロントガラスにできた傷の対処法は、主に次の3つです。
- 補修液やリペアキットを使って自分で修理する
- 修理業者に依頼する
- ガラスを交換する
それぞれの方法と費用感を把握し、状況に応じた選択をしましょう。
1. 補修液やリペアキットを使って自分で修理する
最も安価で手軽にできる対処法は、カー用品店やネット通販で購入できるリペアキットを使っての修理です。
補修液(UVレジン)を傷に流し込み、紫外線で硬化させる方法で、1,000〜5,000円程度でフロントガラスの修理ができます。
ただし、慣れていない人が作業すると修復痕が目立ってしまったり、かえってヒビを広げてしまったりするため注意が必要です。
また、一度リペアした箇所は再修復ができなくなるため、失敗した場合はガラス交換しか選択肢がなくなります。
費用は安いものの、仕上がりの品質に不安がある場合はプロに任せたほうがよいでしょう。
2. 修理業者に依頼する
ガラス専門店やディーラー、カー用品店などでもフロントガラスの修理ができます。
リペアの費用相場は15,000円〜30,000円程度ですが、交換が必要な場合はガラス代と工賃を合わせて80,000円〜150,000円程度が一般的です。
ディーラーは純正品を使用する安心感がある反面、ガラス専門店と比較すると費用がやや高めになる傾向があります。一方、ガラス専門店では純正品のほか社外品や海外製品など複数の選択肢から選べるため、予算に応じた対応が可能です。
ただし、輸入車の場合はガラス選びに注意が必要です。最近の輸入車にはフロントガラスにレインセンサーやカメラなどが搭載されていることが多く、社外品や純正以外のガラスに交換するとセンサーが正常に作動しなくなるケースがあります。
また、社外品のフロントガラスは純正品と比べて断熱効果が低い場合があり、夏場に車内が高温になりやすい点にも留意しておきましょう。輸入車のガラス交換は、車種ごとの仕様に精通した専門店への依頼が安心です。
なお、飛び石による被害であれば車両保険が適用できるケースもあります。保険を使う場合は、等級への影響と修理費用を比較検討したうえで判断するとよいでしょう。
3.ガラスを交換する
リペアでは対応できない大きな傷やヒビ、傷からヒビが進行しているケースでは、フロントガラスそのものの交換が必要です。
交換は確実性の高い解決策で、傷やヒビが完全になくなり、視界とガラス本来の強度を取り戻せます。一方で、費用が高く、作業にも時間がかかる点がデメリットです。
また、自動ブレーキや車線維持支援などの運転支援機能を備えた車では、交換後にカメラやセンサーの位置を調整する「エーミング」という作業が必要になる場合があります。
エーミングを行わないと機能が正しく働かない恐れがあるため、対応できる業者かどうかを事前に確認しておくとよいでしょう。
また、交換直後はガラスを固定する接着剤が完全に固まっていないため、一定時間は運転を控える必要があります。引き渡しまでの目安時間も、依頼時に確認しておきましょう。
フロントガラスの傷やヒビを防ぐ方法
フロントガラスの傷を完全に防ぐのは難しいものの、日常的な運転習慣の見直しで被害リスクを軽減できます。
以下の点を意識して、愛車のフロントガラスを守りましょう。
- 車間距離を十分に取る習慣をつける
- 大型車の後方での走行は避ける
- 荒れた路面を避ける
前方車両との車間距離を十分に確保すると、飛び石がフロントガラスに到達するリスクを軽減できます。
特に速度が上がる郊外の道路や高速道路では、意識的に車間距離を広げると飛び石を回避しやすくなるだけでなく、事故防止にもなります。
また、トラックやダンプカーなどの大型車両は、路面の石を高く跳ね上げやすい傾向にあるため、大型車の直後を走行するのもなるべく避けましょう。
砂利道や工事中の道路など、路面状態が悪い場所も飛び石が発生しやすくなります。可能であればルートを変更するか、やむを得ず走行する際は速度を落として走行しましょう。
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