新車購入から5年が経過して2回目の車検を迎える際に、「初回の車検より費用が高くなるのではないか」と不安に感じる方も少なくありません。

そこで本記事では、5年目の車検相場や費用が高くなる理由、よくある整備箇所などを分かりやすく解説します。

事前に5年目の車検費用の相場や内訳を把握しておくことで、予算の見通しを立てやすくなるので、これから5年目の車検を迎える方はぜひ参考にしてください。

5年目の車検費用の相場

車検は車が安全に走行できるよう検査をするものであり、すべての車の所有者に車検の実施が義務づけられています。本題に入る前に、車検のスケジュールをおさらいしておきましょう。

5年目の車検は、新車登録から5年が経過したタイミングで行うもので、2回目の車検に該当します。5年目になると車の経年劣化が進むため、初回の車検（3年目）よりも車検費用が高くなるケースがほとんどです。

5年目の車検費用相場は6万円〜15万円

5年目の車検費用は、車の重量や状態によって異なりますが、軽自動車で6万円〜10万円程度、普通自動車で7万円〜15万円程度が相場です。

初回車検に比べると3〜5万円、場合によってはそれ以上高くなるため、見積もりを見て驚く方もいるかもしれません。

ただし、5年目車検までのメンテナンスをしっかりとしている車に関しては、初回車検と同じくらいの費用で済むケースもあります。これについては次で詳しく解説します。

過去の整備の程度で費用に差が出る

5年目の車検費用は、車の使用状況や整備履歴によって費用に大きな差が出ることがあります。

例えば、ディーラーで定期的にメンテナンスをしてきた車の場合、5年目における車検費用は比較的安く済むでしょう。というのも、ディーラーでは定期点検と併せてメーカー独自の点検整備を行い、交換が必要な部品だけでなく予防的な部品交換も行われるからです。

つまりこのような車は、5年目の車検時も消耗品の交換程度で済む場合が多く、予想外の費用が発生しにくいのです。

一方で、ユーザー車検や車検のみを行う業者を利用してきた車の場合、車検に合格するための最小限の点検整備しか行われないケースがほとんどです。

そのため、5年目の車検時に消耗品の交換に加え、修理が必要な箇所が発生していることも少なくありません。5年目の車検のタイミングで突然高額な費用になりやすいと言えるでしょう。

5年目の車検費用の内訳

5年目の車検費用相場は6万円〜15万円ですが、この費用には「法定費用」と「車検基本料」「部品交換費用」の3つが含まれています。それぞれどんな費用なのかを確認していきましょう。

車検費用の内訳1. 支払い義務のある「法定費用」

車検の法定費用とは、車種に関係なく全ての車の所有者に支払い義務のあるものです。車の重量や保険期間などで多少の差は出るものの、金額が全国一律で定められています。

そして、この費用もまた「重量税」「自賠責保険料」「印紙代」の3つに分類されます。

①重量税
車重量に応じて課税される税金で、0.5tごとに増加します。5年目の車検では、一部エコカーを除き、初回車検から税額は変わりません。

②自動車損害賠償責任保険（自賠責保険）
法律で加入が義務付けられた保険で、車検時に更新するのが一般的です。2回目の車検時には次回車検までの2年間をカバーする24か月分（17,650円）の保険料が必要です。ちなみに軽自動車は24ヶ月分が17,540円となります。

ここで新車登録から5年目の車検時にかかる法定費用を表にまとめました。

		軽自動車	普通自動車
		重量関係なし	0.5t以下	〜1t以下	～1.5t以下	～2t以下	～2.5t以下	～3t以下
❶重量税	エコカー	5,000円	5,000円	10,000円	15,000円	20,000円	25,000円	30,000円
	エコカー以外 （13年未満）	6,600円	8,200円	16,400円	24,600円	32,800円	41,000円	49,200円
❷自倍責保険料		17,540円	17,650円（保証期間：24ヶ月）
❸印紙代		1,800円

自賠責保険料と印紙代は、基本的にはどの車でも変わりはありません。法定費用で差が出るのは、車の重さに応じて発生する重量税です。重たくなるほどに税金も高くなります。

法定費用の一例として、人気の普通乗用車「トヨタのヤリス（1t以下、エコカー対象外）」のケースを見てみましょう。

重量税	16,400円
自賠責保険料	17,650円
印紙代	1,800円
合計	35,850円

上記は法定費用だけの金額なので、他にも必要に応じて車検基本料や部品高交換費用が加算されます。つまり、ヤリスの場合、車検費用は最低でも35,850円はかかるということです。

車検費用の内訳2. 車検業者に支払う「車検基本料」

車検基本料とは、車検を依頼する業者に支払う、いわゆる検査代行料金のようなものです。業者によって費用に大きく差があるため、どこにお願いするかでサービス内容も費用も大きく異なります。

一般的に車検基本料は、ディーラーが最も高く、次に整備工場、カー用品店、ガソリンスタンド、車検専門店の順で安くなる傾向です。下記に、それぞれの業者における車検基本料金の目安をまとめました。

ディーラー	4万円～10万円
整備工場	3万円～5万円
カー用品店	15,000円～3万円
車検専門店	2万円～25,000円
ガソリンスタンド	15,000円～2万円程度

この金額はあくまで目安ですが、ディーラーや整備工場では、車の種類やクラスに応じた点検整備を丁寧に行うことが多いため、他の業者よりもやや費用が高めに設定されています。

一方、車検専門店やガソリンスタンドなどの安さを売りにしている業者では、最小限の点検整備を行うことで、費用も安めに設定されていることが多いでしょう。

車検費用の内訳3. 必要に応じて支払う「部品交換代」

部品交換費用は、車検の点検時に「部品の交換や修理が必要」と判断された場合にかかる費用です。法定費用のように金額が決まっているわけではありません。

そのため、車の走行距離やこれまでのメンテナンス内容、国産車か輸入車か、使用する部品が純正なのか社外なのか、などによっても費用に差が出ます。

5年目に多い交換部品については、後ほど詳しく紹介します。

5年目の車検費用が初回よりも高くなる理由

冒頭でも簡単にお伝えしましたが、車検は年数が経つほどに費用が高くなる傾向にあります。ここでは、車検の費用が高くなる理由についてさらに詳しく解説します。

メーカー保証が切れるから

新車購入時には、製造元であるメーカーの保証が付帯されています。一般的にこの保証が適応される条件は、新車登録から3年〜5年の間、もしくは走行距離6万キロ〜10万キロまでとしているメーカーがほとんどです。

保証適応中は車に不具合が生じた際も、点検を無償でしてもらえるほか、一部のパーツを除き、ほとんどの部品が無償で交換してもらえます。

しかし、5年目になると保証適用外となるケースが多く、修理や部品交換が必要になった場合、その費用は全額自己負担になるのです。

とくに経年劣化や走行距離の増加によって、エンジンやサスペンションなどの重要部品の交換が必要になれば、さらに5年目の車検費用を押し上げられることになるでしょう。

一部の車ではエコカー減税の対象外となるから

エコカー減税とは、環境性能に優れた車を対象に、自動車税や重量税などの税負担を軽減する制度です。

しかし、この減税措置は新車登録時点での環境基準をもとに適用されるため、一定期間を経過すると減税の適用が終了し、通常の税額が課されるようになります。

特に、近年の燃費基準の見直しに伴い、2024年以降に新規登録された一部の車では、5年目の車検時にエコカー減税の対象から外れることがあります。対象となる車は主に次の2つのパターンです。

まず、2024年1月1日から2025年4月30日までに新規登録されたガソリン車、LPG車、グリーンディーゼル車（ハイブリッド車を含む）のうち、2030年度燃費基準の達成度が70％、80％、90％の車が挙げられます。

これらの車は、登録から一定期間はエコカー減税の適用を受けているものの、減税期間が終了するタイミングで、重量税が通常の税率に戻るため、車検費用が高くなります。

次に、2025年5月1日から2026年4月30日までに新規登録された同じ車種区分の車においても、燃費基準の達成度が75％、80％、90％、100％の車は、一定期間を過ぎるとエコカー減税の対象外となります。

この結果、一部の車においては、5年目の車検を迎える際には減税の恩恵を受けられず、通常の重量税を支払う必要が生じる場合があるのです。

交換・修理する部品やパーツが増えるから

新車登録から5年が経つと走行距離は5万キロほどになる車が多く、初回車検からとくにメンテナンスをしていない車だと様々な消耗品や機械部品が寿命を迎える時期です。

例えば、エアクリーナーエレメントの交換目安は一般的に走行距離5万キロとされており、5年目の車検時に交換することが多いでしょう。

また、ブレーキオイルやLLC（ラジエター冷却液）も、初回交換の推奨時期が3〜5年とされているため、これらの交換費用が車検時の整備料金に含まれることがあります。

このように、5年目の車検では初回よりも部品の交換やパーツの修理が必要となりやすく、場合によってはそれにかかる費用がかなり膨らむことも考えられます。

5年目車検時によくある交換部品と費用

実際に5年目の車検時では、どの程度の整備が発生するのでしょうか。ここでは走行距離5万キロを想定し、交換が必要になる部品を紹介します。

タイヤ

タイヤは、車の安全性に大きな影響を及ぼす重要な部品です。

5年使用すると5万キロ程度走行していると想定できるので、タイヤの溝が減少しているケースが多いでしょう。また、経年劣化によってゴムが硬化し、亀裂やヒビ（オゾンクラック）が発生することもあります。

この状態を放っておくと事故に繋がりかねないので、車の走行や安全性を維持するためにもタイヤの交換はよく行われる点検整備の一つです。

懸架装置（サスペンション系）のブーツ類

サスペンション系のブーツは、タイヤの動きやブレーキの制動力に影響があるパーツです。

新品のもので寿命は走行距離5万キロが目安だと言われています。そのため、5年目の車検時にはブーツに破れや亀裂が生じることがあり、この破損により内部のグリスが漏れ出すケースも散見されます。

これを放置すると、サスペンション全体に悪影響を及ぼす可能性が高いため、劣化が見つかった場合には交換が必要です。

補機ベルト

補機ベルトは、エンジンの回転力を使ってオルタネーター、エアコンコンプレッサー、パワーステアリングポンプなどの補助装置を駆動する役割を持つパーツです。

経年劣化によってベルトに滑りが発生し、鳴き音が出ることがあります。この異音を放置すると、ベルト切れが起きるリスクが高まり、エンジン周辺の機能に支障をきたすことも考えられます。

例えば、発電ができなくなってバッテリーが上がったり、エアコンやパワーステアリングが作動しなくなる恐れもあるでしょう。

最悪の場合、エンジン自体が過熱して停止する恐れもあるため、音が確認された場合は早めの交換が必要です。

ブレーキパッド 

ブレーキパッドは、ブレーキ操作時の摩擦によって車を減速・停止させるとても重要な部品です。

新品のパッドではパッド表面が10ミリほどありますが、5年目には摩耗して5ミリ程度もすり減ってしまうとされています。

とくに欧州車では、日本車と比較してブレーキパッドの摩耗が早い傾向があり、5年目の車検時に交換が必要な車も多く見られます。

摩耗したままの状態を放置しておくと、ブレーキの効きが悪くなり、大きな事故に繋がる恐れもあるため、5年目の車検時に必ず点検と交換が必要です。

スパークプラグ

スパークプラグは、エンジンを動かすために欠かせない部品で、ガソリン車の燃費にも大きく影響します。

車種やスパークフラグの種類によっても変わりますが、交換の目安は一般的に3年〜5年もしくは走行距離5万キロ前後です。摩耗や劣化の進行を放置すると、エンジンの始動性が悪化し、燃費の低下や加速力の不足を引き起こします。

最悪の場合、エンジンが停止する可能性があるため、定期的な点検と交換が必要です。

国産車と輸入車の部品交換費用を比較

実際に部品代にどれくらいかかるのかを国産車と輸入車に分けて見てみましょう。下の表は、株式会社アクスルで交換した際の部品代と工賃です。（純正部品）

車種	左右フロントスタビライザーリンクロッド交換		スパークプラグ交換
	部品代	工賃	部品代	工賃
トヨタ ヤリス	4,350円×2個	4,800（左右）	2,500円×3本	4,000円
ベンツ Cクラス	7,570円×2個	7,600円（左右）	3,040円×4個	7,600円

国産車よりも輸入車の方が、部品代も工賃も1.5〜2倍近く高いことがわかります。輸入車は部品も外国から取り寄せるため、輸送費が上乗せされ部品代自体が高くなってしまうのです。

つまり、車検の費用を安く抑えたい場合は、なるべく部品の交換が多くならないよう日頃からこまめにメンテナンスをすることが大切だということ。

他にも、純正部品ではなく社外部品の使用を検討したり、ディーラー以外の業車にも相見積もりをとって比較することも、車検費用を抑えるためには欠かせません。

5年目の車検費用を抑えるならアクスルにお任せください

5年目の車検費用は、車種や走行距離、日ごろのメンテナンスの程度によって異なりますが、相場としては6万円〜15万円程度です。初回車検に比べると経年劣化により様々な部品やパーツが寿命を迎え、車検費用が高くなりやすいでしょう。

私たちアクスルでは、本記事で紹介した【交換が必要になるパーツ・部品】はもちろんのこと、車種ごとに適した点検整備を行い、受入点検・中間検査・完成検査にて漏れのないように作業を心がけています。

また、ディーラー同等の丁寧なサービスを提供しながら、社外部品の使用なども取り入れることで、ディーラーよりも費用を抑えたご提案が可能です。

ベンツをはじめとし、BMWなどの輸入車の車検経験も豊富にありますので、輸入車の車検に不安のある方は安心してお任せください。

輸入車の車検や整備、タイヤ交換はアクスルにお任せください！

私たち株式会社アクスルは、東大阪にてメルセデス・ベンツを始めとする輸入車の車検やタイヤ交換、新車・中古車の販売を展開しています。

車検はもちろん、修理や日常のメンテナンスのご依頼も承っており、自社工場でスピーディーなご対応が可能です。また、熟練のスタッフが在籍しておりますので、ボディコーティングから治具を使った難修理などもお任せください。

弊社では少しでもお客様の不安を解消するため、事前のヒアリングを丁寧に行ったうえで「修理が必要なのか」「新品パーツとの交換が必要なのか」など、ご提案をさせていただきます。

各ディーラー様では対応の難しい相談や、中古車、新古車で購入した輸入車をディーラー車検に依頼しづらい…とお悩みの方は、ぜひ一度弊社にご相談ください。

お客様のご予算内で満足いく仕上がりと、すべてのお客様に上質で豊かなカーライフをご提供することをお約束いたします。

※記事内で紹介するメーカー名・製品名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。