「クラッチ1リミットに達した」のフォルトメモリーを発見。走行時でも暖気が完了後にクラッチジャダーが発症している。ジャダーとはクラッチ接続時に振動が出ることです。
フォルトメモリーをキャンセルし基本調整を実施するもジャダーは改善されず大きくなった。測定値にてクラッチ1アームの作動が19mmから13.2mm、クラッチ2のアーム作動が15mmから10.7mmへと数値だけは改善された。新車の場合、この数値はおよそ5~6mmであり、調整してもこの数値に近くならないことよりクラッチに不具合があると判断。
クラッチ交換作業着手します。搭載状態の上から見たDSG本体
DSGを降ろし、クラッチを取り外すとクラッチディスクの摩耗粉が堆積しており、クラッチ本体からも多量の摩耗粉が落ちてくる。クラッチディスクが減っているのが良くわかります。
新品のクラッチへと交換しDSGを載せていきます。
DSG搭載後に基本調整を実施しロードテスト。
ジャダーも解消され、発進がとてもスムーズになり変速ショックも感じないほど改善されました。
測定値にてクラッチアームの作動がクラッチ1で13.2mmから5.5mm,クラッチ2で10.7mmから6mmへと新車時のような数値になりました。
発進時や変速時にジャダーを感じるようになったらクラッチの摩耗が進んでいるかもしれません。このDSGはクラッチの摩耗をアームの移動量やエンジンとDSGの回転差により検出しています。コンピューターが限界と判断するとクラッチの接続を中止してしまい走行不能となってしまいます。一度、点検をお勧めいたします。